スタント無しでリアリティを追求した戦闘シーン
アジアからノルマンディーまでを生き抜いた数奇な運命。この壮大なスケールの物語を映像化するべく8ヶ月、240日におよぶ大規模な撮影が敢行された。600人以上のスタッフが動員され、総撮影カット数は5,700カット、用意された衣装は5,000着、そして延べ7,000人を超えるエキストラが各地から集められた。撮影用には本物の銃が100丁以上、弾丸(空砲)も45,000発も用意された。銃のあまりの衝撃と音の大きさに、俳優は耳栓をして撮影に臨んでいた。日本では考えられない量の爆薬が使われる中、多くのカットはスタント無しで行われた。劇中でオダギリ扮する辰雄が敵に投げつける火炎瓶も本物を使用。目の前をエキストラが行き交う中、オダギリ自らが慎重に演技を行った。また、ノモンハンの戦闘シーンで重要な役割を果たすソ連式戦車は、本物の質感を求める監督が『プライベート・ライアン』を手がけたチームに製作を依頼している。こういった細部にわたるこだわりが、俳優でさえ恐れる程のリアルな戦場の臨場感を引き立たせている。